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金 貞民(キム ジョンミン)
株式会社 シード・プランニング 研究員
2010年のソーシャルゲーム市場は対前年プラス305%で成長。
市場規模は1,219億円規模に。
2009年8月に大手SNS mixiが自社サイトを外部のゲーム開発会社にオープン化したことをきっかけに、周辺市場から多くの事業者がSAPとして、ソーシャルゲーム市場に参入を 開始、SNS上で多数のソーシャルゲームが提供されるようになり、ユーザーからの大きな支持を得た。
また、モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーが自社に2009年秋以降自社開発によるソーシャルゲームの提供を開始、このゲームの利用者が短期間で急増した。
2010年には、モバゲータウン、GREEなどの大手SNSがオープン化を開始、魅力的なソーシャルゲームコンテンツが各サイトで提供され、ソーシャルゲームのユーザー数は急速に拡大した。大手SNSサイトであるmixi、モバゲータウン、GREE各SNSの会員数は、2000万人規模を超える水準にまで拡大した。
ソーシャルゲームを利用するユーザーに対するアイテム販売収入は急増、また各SNSのPV数の拡大に合わせた広告販売が進み、2010年のソーシャルゲーム市場規模は対前年プラス305%と極めて高い成長を遂げ、1,219億円となった。
カテゴリ別の内訳でみると、2010年のアイテム販売収入は、対前年プラス347.6%、広告収入は、対前年プラス164.3%と、いずれのカテゴリ市場とも高水準の成長を達成、特に、アイテム販売収入額が著しい成長を遂げた。アイテム販売収入は、ディー・エヌ・エーの「怪盗ロワイヤル」に代表される、SNS事業者の自社開発ゲームがその成長を大きく牽引、またSAPが提供するソーシャルゲームにおいても、Rekoo Japanの「サンシャイン牧場」をはじめ多数のタイトルが、それぞれ数百万人規模以上のユーザーを獲得、その成長に寄与した。
広告収入もまた、ユーザーのソーシャルゲーム利用の拡大に合わせて高い水準で拡大した。
2011年のソーシャルゲーム市場は、対前年プラス49.3%の成長。
2014年以降は2,500億円規模に達する見込み。
2010年後半以降、ソーシャルゲーム市場には新たな事業者が参入、従来携帯電話端末向け中心で提供されていたものに加え、新たにPC向けのサービ ス提供を本格化させるSNS事業者が増加しました。また、大手SNS事業者による、近年急速な普及が進むスマートフォン端末向けサービスの対応が2011 年以降本格化され、ソーシャルゲーム市場は新たなユーザーの獲得による市場拡大が見込まれる。
また、提供されるソーシャルゲームそのもののクオリティも高まる傾向にあり、魅力的なコンテンツに引付けられたユーザーのアイテム購入額の増加も期待される。
このように、2011年以降もソーシャルゲームの利用人口の拡大と、ゲーム愛好者によるアイテム購入額の増加により市場は引き続き拡大することが予想される。
このような市場環境を背景に、2011年のソーシャルゲーム市場は、対前年プラス49.3%の水準で成長することが予測される。
ソーシャルゲーム市場は、2012年以降も引き続きユーザーの広がりにより、継続的に拡大することが見込まれる。その成長率は今後1-2年高い水準となる ことが予想されるが、その後はユーザーへのソーシャルゲーム利用普及の一巡と、今後新たな普及が見込まれるスマートフォン端末上で提供される電子書籍コンテンツなどの他の魅力的なコンテンツとの間で時間軸でのユーザー獲得競争などにより、その成長率は緩やかになることが見通される。
しかしながら、スマートフォン端末などで実現可能となる豊かな表現方法や、多様な機能を備えた魅力的なゲームコンテンツはその後もユーザーを引付け、その市場は中長期的に拡大、2014年には2500億円規模の市場になることが予測される。
株式会社 シード・プランニング 研究員
2006年東国大学(韓国ソウル)文学部日本語日本文学科卒業。
日本でテレビ局、ネット視聴率調査会社勤務後、2010年5月株式会社シード・プランニングに入社。
研究テーマはゲームを中心とするデジタルコンテンツ市場領域。
現在の関心は、スマートフォンなどの新しいディバイスにおけるコンテンツビジネス。
半年前にDeNAの守安さんが1000億円規模の市場になりますよっておっしゃっていて、スゲーって思ったのを覚えている。それが2014年には2500億円市場になるって、すごいなあ。
単に発表文をコピペするのもなんなので、メールで質問しました。回答は以下の通り。
Q:調べていて何に一番おどろきましたか?
A:とにかく市場の進化が早く、振り返ってみると、調査を開始した6月と現在(12月)とでは、市場の状況が全く違っていることです。
最後の最後まで、まとめきれず、原稿締め切りの直前まで市場の動向を追っていました。
Q:この報告書の一番のおすすめポイントは?
A:市場全体を効率的に俯瞰できることです。ソーシャルゲームに関する情報は、Webであふれていますが、ともすると、断片的な情報に左右されがちになるのではないかと思います。
ソーシャルゲーム市場に関する数値データを多く盛り込んでおります。事業計画策定時などに、プレゼン資料に盛り込んで使っていただくことで、市場の成長性を客観的に示す材料としてお使い戴けます。
また、米国・中国・韓国の市場概況もまとめており、海外進出を検討されている方の参考資料としてもお使い戴けます。